スペイとの出逢い

スペイとの出逢い

今から15年程前のこと・・・

北の本流で釣りをしていたときに一人のフライマンと出会った。
その彼は18fのロッドを片手に、今まで見たこともないキャスティングスタイルでその本流の対岸めがけてキャストを繰り返していた。
それまでの僕の本流の釣りはシューティングヘッドを使用したダブルハンドでのオーバーヘッドが主流であったが、彼の、四次元の空間をまるで生き物のように動くラインの扱いを見たときに、驚きそして感動したのを今でも覚えている。
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それがスペイキャスティングだということがわかったのはもう少し後のこと・・・

その頃から次第に本流の魅力にとりつかれていった僕は、北の大地で出会った彼のキャスティングがどうしても気になり、市販の本やインターネットですぐに調べてみた。
便利な世の中になったもので、そう時間はかからないでそれが「スペイ」というものだということに気付かされる。

スペイキャストというものが次第に注目されはじめていた頃で、今のようにスペイに関する情報が充実していない時代だったのでロッドの情報もあまり得られないまま、最初のスペイロッドを購入した。

僕が最初に手にしたロッドはO-REX ACCIPITER 15f #9/10

軽量でシャープな振り心地、オーバーヘットでも難なく使えるロッドだった。
返りが速いとタイミングがとりづらいとも言われていたが、キャスティングを体に浸み込ませるにはかえって返りの速いロッドのほうが、ごまかしがきかなくてよかったと思っている。
ラインはXLTやMidSpeyを購入し、毎日仕事前に川に通いキャスティング練習を繰り返した。

周りにはスペイをやっている人も、まして教えてくれる人もいなかったため、僕はビデオやDVDを見ながら試行錯誤を繰り返していた。自分のキャスティングフォームをビデオカメラで撮影し、自宅に戻ってからそのフォームをチェックしたりした。
ロングロッドでロングベリーのラインをキャストすることに憧れていた瞬間・・・
優雅で華麗なループを夢見て日々練習に明け暮れた・・・。

伝統的なスペイアクションがどのようなものか一度試してみたいと思い、Clanの17f #9/10を手にしたのがもう少しキャスティングができるようになってからのこと。
その当時、仕事場から5分とかからないところに川が流れていて、川幅のある流れで少々のシングルスペイならばロングロッドでも十分練習できる流れだった。
盛期のイブニングには大型ヤマメがライズし練習しながら実釣ができる恵まれた環境に身を置いていた。
O-REXと同じキャスティングフォームではClanは思うように投げられなかった。
ロッドの軌道やキャスティングアーク、スピード・・・

スペイの奥深さにさらにのめり込んでいった・・・。

北の大地で彼にお会いしてから何度か一緒に釣りをさせていただく機会に恵まれた。
彼が所有するB&Wの18fにカスタムラインの組み合わせ・・・
「ちょっと振ってごらん・・」と言われて、北の本流使用のシステムを振らせていただいたことがある。
その時はスペイキャストの真似事も少しできるようになってきたころで、何とか投げられるかな・・なんて安易な気持ちでロッドをお借りした。
でも、そのわずかな自信がすぐに打ちのめされた・・・

ロッドが持ち上がらず、ラインも水面に浮いてこない・・・
何度かロールキャストしても、そのラインは最後まで水面に出てくることはなかった。
こんな重いシステムであれだけのキャスティングをしていたのか・・・
B&Wのロッドの存在をはっきり知ったのもこの時だった。

僕は北の本流から戻ると、すぐに彼と同じロッドを手にした。
18fのB&Wのロッドはリールとの総重量で1kgを超えていた。
体をフルに使わないと投げられないこのシステムで、また練習を繰り返した。

18fのロッドをいかに曲げるかを考え、フルシンクラインで水中に突き刺さったラインの浮かせ方に試行錯誤した。
北の本流の重い流れに潜む大魚を仕留めるには、確かに中途半端なラインシステムでは対応できないと感じていた。
狙っている魚の大きさがまさに「幻の大魚」と言うにふさわしい大きさだったのには驚きを隠せなかった・・・

あのころから早くも10年以上の月日が流れていた。
自分のダブルハンドの主流がスペイに移行し、様々なポイントで釣りができるようになっていった。ラインシステムもスカジットやショートヘッドがメインとなり、ラインの進化によってそれほどキャスティングに難しさは感じなくなったように思う。

でも僕の手には、あの日振らせていただいたフルシンクのカスタムラインの感触がいまでも鮮明に残っている。
やはり僕の原点はロングベリーのカラフルなラインが宙を舞うことに幸せを感じることかも・・・
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by akiranspey | 2010-12-05 23:04 | 北海道 | Comments(8)

Commented by B-R-Bros at 2010-12-06 21:31
Akiranさん、こんばんは。
釣り自体の合理性、手返しのよさを思うと、
スペイの中でも短いシューティングヘッドを使うスカジットやスカンジナビアンスタイルによる釣りが魚と出会うには近道かもしれませんね。
でも、長いロッドでロングベリーラインを飛ばす快感は格別ですね~♪

チャンスがあったら来期は北の大河で長いラインで楽しみたいと思います。(笑
Commented by akiranspey at 2010-12-06 23:38
RYOさん、こんばんは。
ロングベリーとはいかないまでもミッドベリーやダブルテーパーでのんびりと釣りがしてみたいです~。
盛期のセッジの釣りで来年は試してみたいと思います(笑)
Commented by MAD at 2010-12-07 05:54 x
akiranさん、こんばんは。朝タイイング中のMADです。
私も何度か、長いラインを操る釣り人を見たことありますが、優雅の一言でしたね。
私がヤルとクモの巣に掛かったトンボみたいになりそうなので手は出ませんが・・・。
7番のミッドベリーが使わず仕舞ってあるので、DSP1267でヒゲナガの釣りなんかイイなと思っていました。来年トライしてみようかな?

こちらの本流、気に掛けているところです。
茂岩のテレメータ、今週はアクセス多いんでしょうね(笑)
Commented by 鶴造 at 2010-12-07 07:43 x
akiranさん、おはようっす!
スペイマスターですか?
自分も先日手に入れましたが
練習用としか思え無い竿ですよね
これに、シンキングの長~いティップをつけて
釣りをするなんて(滝汗)
北の本流にはこの竿でないと竿はのされてしまう
そんな大物が潜んでいるとか・・・・

実釣では体に優しい竿しか使わないヘナチョコな自分でした!
Commented by flymoto at 2010-12-07 15:20
釣りには短めのロッドでショートベリーが釣りやすいですよね、でも長竿&ロングベリーの組み合わせも B-R-Brosさんのおっしゃるように捨てがたいです〜〜
Commented by akiranspey at 2010-12-07 23:13
MADさん、こんばんは。
ロングベリーのラインが空中を突き進んでいく様子を見るのは気持ちいいですね(笑)
私のラインはユラユラ揺れて飛んでいきますので、あまり人には見られたくないです。。。
本流の水位はまだまだ高いようですね。
タイミングがあえば年内に一度お伺いしたいです。
Commented by akiranspey at 2010-12-07 23:15
鶴造さん、こんばんは。
B&W・・・最初に手にしたロッドはパワーライトの18fでした。
スペイマスターも所有しましたが、物干しのように固くて私には手におえる代物ではなかったです(泣)
私もやっぱり優しいロッドが好きですね~。
Commented by akiranspey at 2010-12-07 23:18
motoさん、こんばんは。風もなくて穏やかな流れでロングベリーの釣りが可能な川であれば、やっぱり長いラインは魅力ですね~(笑)
でもやっぱり釣れるのは短くて重いラインです。。。
ロングロッドは久しく振っておりませんが、このオフシーズンは18fを持ち出して筋トレしようかと思っております。

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