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季節の歯車

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グッと冷え込みが厳しくなった土曜の朝は、国道の気温計は0度を示していた。
紅葉のピークは少し過ぎた山々はまだ赤を基調としたコントラストが少しだけ残っていたけれど、薄緑色の低い草木は寒さのせいですっかり霜に覆われていた。
川はいつもの年ならサーモンの産卵場所にはおびただしい数の群れがいて、独特の匂いが漂っているのだけれど、今年はその光景を見ることもなく、時折り遡上途中の単独のサーモンが足元を泳ぐ姿を見かけるだけだった。季節の歯車が少しだけずれているのか、それとも今年の遡上が少ないのか、僕にはわからなかった。
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水温は9度台で何とかなるかなという状況だったけれど、最近の雨模様で川の濁りはなかなか落ち着かず、普通ならちょっとためらうくらいの濁りだったように思う。
いくつかの場所を彷徨ったけれど、やっと日曜日の夕暮れ前に小さなアメマスが会いにきてくれた以外はアタリはおそらくなかったように思う。
最終日は午前中までの釣り、この日は水位も濁度もすっかり落ち着いて数値だけ見るとコンディションは回復していると思われた。
前日に友人に教えてもらった場所に足を運ぶ。水位が10センチほど下がったこの日は軽めのセッティングで釣りを開始した。

今回の釣行ではいままで足を運んだことのない魅力的な流れもいくつか探索することができて、それなりに収穫のあった釣行ではあったがやはり満足のいく鱒に出逢いたい気持ちが強かった。
フライをダンケルトパターンのスペイフライを選択してはっきりとしたシルエットのフライで再度同じ流れを流していく。
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フライが綺麗にターンするぎりぎりまでランニングラインを引き出してキャストを続ける。
ランの中盤までさしかかったところ、フライがターンしてスイングが始まった流心の向こう側で少し違和感を感じた。
するとすぐにグンッという振動が手元に伝わったかと思うと、すぐさま鱒が跳躍して太いボディから水面にたたきつけられる。
大きな跳躍を2度見せた鱒はグイグイとロッドを絞り込んでいく。
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慎重なやりとりの末、モンスターネットに収まった鱒を見て、やっぱり来てよかったと思える瞬間を感じることができた。

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もう少しすると、平地にも白い雪が舞い降りて、鱒にとって平穏な季節が到来するだろうから
あと少しだけ僕らを楽しませてくれるとうれしいな(笑)。

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Rod:R.B.Meiser MKS13.6f 6#7
Reel:T-MADE T&T Collabo Ver.2 Narrow
Line:skagit floating510gr Tip type3 10f
fly:Dunkeld spey

Data
10/15 7.7~8.9 wl68.26~68.19
10/16 9.3~ 11.3 wl68.15~68.11
10/17 10.7~11.6 wl68.02~68.12

by akiranspey | 2016-10-18 22:20 | 虹鱒

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