北の本流 ~尻別川~
僕を乗せた車は目的地である北の本流、尻別川にたどりついた。
体には少し仕事の疲れが残っていたものの、車の窓を少し開けてみると
心地よい川の音色が耳に響いてくる。
空を見上げてみると薄青色の夜空には星がかすかな光を放ち輝いていた。
夜が明けるにはまだ2時間ほどある。
ちょっとだけ目を閉じて体を休めようと試みるが、川を前にした僕はすでに
釣りモードに・・・
朝も3時を過ぎたころ、遠くの東の空が少しばかり明るくなってきた。
車のドアを開けて外に出てみる。
大きく手を伸ばして深呼吸をすると、川の香りと草の匂いが僕を包み込む・・・
いよいよ北の本流スペイの始まりである・・・。
かすかな空からの明かりをたよりに仕度を始める。
最初に選んだ場所は蘭越の豊国橋のやや上流、南部川の出会いを左岸から攻めてみることにした。
13.11f8番のロッドにウインドカッター8/9/10番、タイプ3のティップに
ヒゲナガチューブを選択した。
ロッドとラインのセッティングは先日の中禅寺湖で確認済、よい感じでラインが伸びていく。
キャストを開始して間もなく、魚からのコンタクトがある。
フッキングはしないもののスイングを終えようとした直前に明らかに魚と感じられる
感触が手元に伝わってきた。
フライの選択は正しいようだ。
ステップダウンしながら釣り下っていくと、同じように手元に不意の違和感を感じる。
ドキドキしながらキャストを繰り返していると、突然スイング中にフライがひったくられた。
ゴンゴンッとフライを加えた魚のパワーでロッドが下流へと引っ張られたかと思うと、そのテンションは手元からあっという間に消え去ってしまった・・・。
その後も魚からの反応はあるものの、陽が昇り始めると徐々にその反応は少なくなっていき、それっきりイブニングタイムまで僕のフライを見つけてくれる魚はいなかった。
ちょっとだけ線路を旅してみた・・・
Mr.ABUさんの精巧緻密なキャストが繰り返される・・・
Mr.YUNさんは必ず結果を残す釣り人・・・
ローカルな電車で旅をしながら釣りをしてみたい・・・
僕の相棒、心地よいキャストフィールを持ってます・・・
そんな中でも友人たちはしっかりと鱒を釣り上げている。
同じようにキャストし同じように流しているつもりでも、優しい鱒が僕のフライを見つけてくれることはなかった。
まだまだ未熟な僕は北の本流を旅しながら優しい鱒を探しにいこうと思います・・・
by akiranspey | 2008-06-26 00:16 | 北海道