グッドプロポーション
秋風が川面をなでるようにかけぬける本流・・・
秋蜻蛉の羽が陽の光に照らされてきらきら輝いているのがとても印象的だった・・・
本流に棲む虹鱒を追い求めて・・・
忙しい日々の疲れを癒しに、大きな荷物とロッドを片手に本流を目指す。
薄暗い雲の中を突き抜けると天空から光を放つ月が僕らを乗せる飛行機を照らす。
灰色に映し出された雲は少し不気味な気配が漂う。
体は疲れているのに重いまぶたがなかなか閉じてくれない。
うとうとしてきたかと思えばまもなく到着するとのアナウンス・・・
一時間のフライトだから一瞬でも気を失うとあっと言う間である。
土曜日はまだ暗いうちに本流に着いた。
久し振りの流れにあたりが確認できないうちはポイントすらわからない。
川沿いの土手をゆっくりと車を走らせて、窓をあけながら川の音色に耳を澄ます。
心地よく奏でられた流れに車を止めてフライを流してみる。
presented by Mr.nakanishi
人の踏み跡のない場所をいくつも巡っていくと鱒からのコンタクトが見られた。
きれいな鱒との出逢いはつくづく感慨深いものがあるとしみじみ感じた本流・・・
こまめにポイントを探しているとふと魅力的な流れに行き着いた。
瀬からの流れがぶつかり、瀬尻からはかなりの深みが形成されている。
とんでもない大きさの鱒も潜んでいるらしいので万が一のためにリーダーは0Xを選択してみた。ロッドはR.B.Meiser Highlander-Sの14f7#にリールはt-made ttコラボそしてラインはエアフロスカジットコンパクト390grにタイプ3のティップをつないでみた。
状況がつかめないなかで丹念にフライを流していく・・・
うまくターンしたフライがスイングを始めてすぐにガツンとした手ごたえが手元に伝わってきた。
岸際にロッドを倒してみると鱒は一気に下流に疾走した。
重い流れに乗って鱒の疾走は止まらず、バッキングラインまで引き出されたところで鱒との一進一退の攻防が展開される。
鱒はいっこうに水面に姿をあらわさない。
ラインを巻き取ってはまた引き出されてを繰り返し、慎重なやりとりで鱒の疲れを待つ。
数分後に鱒が水面に姿を現したときには慣れない大きさの鱒に一瞬あわててしまったが
慎重にネットにおさめたときには一人うれしさがこみ上げてきた。
久し振りの本流スペイでのグッドサイズのレインボートラウト、ちょっとだけ運がよかったと感じられる瞬間だった・・・
秋の虹鱒は豊富な栄養を蓄えて、素晴らしい体高の持ち主だった。
しかし、そのすぐあとには手中におさめた鱒をはるかに凌ぐパワーの鱒になすすべもなく
ラインを切られた・・・
またいつの日か今度はスーパーレインボーに出遭えることを期待して・・・
by akiranspey | 2010-09-21 23:45 | 虹鱒