スペイの旅・・・湖編

季節はちょうど今頃、透き通るような青空に蝉の鳴き声が心地よく響きわたる湖畔に僕は立っていた。

見よう見まねで巻いたセミフライ。
黒いディアヘアを繰り返しシャンクに巻きつけ、ウイングにCDCを付けただけのフライ・・・
一生懸命巻いたはずだったが、出来上がりはディアヘアがスカスカの恥ずかしいフライに
仕上がってしまった。
さざ波が立ち、優しい風が吹く。湖面には風で運ばれてきた蝉が羽根をバタバタ動かしている。
波に浮かぶ蝉をじっと見ていると、突然ゴボッという音とともに姿を消した。
一瞬目を疑ったが、間違いなく鱒であろうその魚は蝉を突き上げ、そして消し去った。
初めて見たその光景は今でも鮮明に記憶に残っている。
興奮冷めやらぬ僕は、出来損ないのセミフライを結び、すかさずキャストする。
波間に揺れている僕のフライを小さな鱒たちがつついて遊んでいる。
微笑ましい光景だが、僕が会いたいのはもっと大きな鱒・・・
その瞬間は時を待たずして訪れた。
着水するやいなや、黄金色の鎧を身にまとった茶鱒が僕のフライを吸い込んだんだ・・・
あれから10年の歳月が流れ、ふたたび支笏湖に立っている。
ただ、あの時と違うのは、湖には優しく平和な時間が流れていることだけかな・・・。

by akiranspey | 2007-06-15 23:16 | 北海道

