本流虹鱒の旅
今回の旅で最初に訪れた川・・・
イブニングタイムに到着すると川面はおびただしい数のヒゲナガが飛び交っていた。
ライズは散発であったものの、時折ドキッとするような大きなライズ音がどこからともなく聞こえてくる。
川には大きな石が点在し鱒の着きそうなスポットが至るところに存在する。
この日の残り時間はあとわずか・・・
月明かりの力がその存在感を増してくると、川に沈んでいる大石が黒く浮かび上がってきた。
帰りのルートがわからなくなる前に僕は釣りを終えた19日の土曜日・・・。
翌日は朝3時に起床し釣場に向かった。
すでに数人の釣り人が川に立ちこんでいる。
思ったほどの寒さではなく、シャツ1枚で釣りを開始する。
変化に富んだ流れにはR.B.Meiser Highlander-Sの13f#6にt-made new reel
エアフロスカジット390grにタイプ3を10f・・・
フライはセッジ系のウエットをベースにフックサイズは8~10番程度を選択した。
照り付ける日差しは真夏そのもので、きっと気温は30度に限りなく近かったと思う。
釣りをしているだけで、額からは汗が流れ落ち、のどが渇いてくる。
時折り頬を通り過ぎる風だけが気持ちよく感じられた。
少し離れた上流部で友人がいいサイズの虹鱒を釣り上げたとの連絡が入る・・・
僕もやる気を奮い起こすものの、僕のところにはウグイやカジカ、ヤマメ・・・
虹鱒にはなかなか出遭えない。
夕刻前、遠くから雷音が聞こえてきた。
雨脚はそれほど強くはないが、上流から流木やゴミなどが流れてくる・・・
おかしいな、と思ったのもつかの間、そんなに時間はかからずに川は増水し泥濁色に染まっていった20日の日曜日・・・
毎日、寝る時間を惜しんで、夜のうちに移動した。
体の疲れと眠気からくるまぶたの重さ・・・ときには車を降りて深呼吸をする。
車通りの少ない国道を慎重なスピードで本流を目指す。
夜半過ぎ、峠の町を通過したころから雨脚は強まり、フロントガラスをたたく大粒の雨に不安を隠せない・・・。
本流に着くころには、東の空からうっすらと太陽が顔をのぞかせていた。
思ったほどの濁りはないものの、やはりいつもと比べると水量が多いようだ。
上流部の比較的水色の落ち着いているところを探し、ブラックをベースにしたビーズヘッドウーリーを流し込んでみたが、うぐいからの反応しか見られない。
ポイントを変えてみるも反応はない。
イブニングのプライムタイムを迎えてもその反応は一向に変わることはなかった
21日の月曜日・・・
道央河川中流域
熊出没注意の看板に恐怖を感じながら、藪を掻き分け河原に向かう。
ダム下の流れは複雑な流れを形成しており、岸際には大石が点在し歩行を困難にさせる。
流れの頭に立ち、フローティングラインの先には6番のグレートセッジを結ぶ。
複雑な流れにメンディングを繰り返し、フライをナチュラルに流していく。
虹鱒にこのフライは好まれたようだ・・・
ここはイブニングのほうが実績の高い場所だけれど、単独釣行ではやはり熊は怖い・・・
やや下流に移動し大きな瀬の頭に立つ。
対岸までは50メートル以上はあるだろうか・・・
R.B.Meiser Highlander-Sの14fを選択し遠くのポイントを探ってみた。
ワンステップずつ釣り下り、核心のポイントへ差し掛かる。
フライをゆっくりスイングさせていると、グッと押さえ込まれるような重量感が手元に伝わる。ロッドを岸際に倒しテンションをかけてやると、遠くで銀鱗に輝く鱒が宙を舞った・・・
さらに下流域へ移動し流れが右岸にぶつかる魅力的な場所を友人に教わる。
入渓点がわからなかったが、流れの音色のするほうへ藪を掻き分けていくとその場所は現れた・・・
対岸の深い流れにフライを送り込む・・・
まずはタイプ3で一流しするも鱒の反応は見られない。
次にタイプ6・・・これでも反応がない。
最後にタイプ6の先端にT14を1メートル足して流し込むと・・・
この鱒もヒットした瞬間に水面を割って大きくジャンプした。
決して大きくはない虹鱒だけど、リールの逆転音を響かせて疾速する素晴らしいファイターだった・・・
北の大地・・素晴らしい流れです。。。
# by akiranspey | 2010-06-24 10:43 | 虹鱒